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【人、瞬間(ひととき)】あの言葉 バイオリニスト・千住真理子さん(下) (2/2ページ)
このニュースのトピックス:クラシック
大学生になって、スランプにあえいでいたときも、家族のなかで、ただ一人バイオリンを止めることに反対したのが父だった。そして、千住にこんな話をしてくれた。
「ダイヤモンドは磨かなければ、ただの石なんだよ。キズを付けて、磨くことをくり返して、ようやくダイヤモンドになれるんだ」。繰り返し、繰り返しの話である。
そのときはまだ、父の言葉の意味が分からなかった。「こんなに努力しているのに…。私は理解されていない」と悲しくなった。
父の言葉が胸に響くようになったのは、ようやく、スランプから抜け出せたころである。
「父の哲学は、課題を乗り越えるかどうかは関係ない。精いっぱいの努力をして、今日より明日と、少しずつ自分の限界を広げてゆくことなんです。今は本当にその通りだと思う。父の生き方はアーティストそのものでした」=敬称略(文 喜多由浩)

