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【街物語】恩師が語るサザンオールスターズ誕生の秘話 (2/3ページ)

2008.7.6 08:37
このニュースのトピックス街物語
茅ケ崎公園野球場で開かれたライブ茅ケ崎公園野球場で開かれたライブ

 サザンビーチほど近くの小さなパン屋「清月」には、全国からファンが足を運ぶ。「愛知だとか、よくもまあ遠くから。人気がすごいのよ」。店主の高橋ツナ子(73)は笑う。

 桑田が中学時代、野球部の練習後に毎日立ち寄り、店先でパンをほうばっていった。顔を出すのはいつも夕方。総菜パンは売り切れて残っていないため、高橋は余ったソーセージなどを挟んで「オリジナル」を作ってあげた。今では「清月スペシャルサザン佳祐ドッグ」と名を変え、店一番の人気商品だ。

 母親が不在がちだった桑田にとって、高橋は母代わり。当時から「ケースケ」と呼んでいた。メンバーの原由子と結婚してすぐ、2人であいさつにやってきた。今でもコンサートの招待チケットが届く。

 「本当はね。ひざが痛くて、昨年いっぱいで店を畳もうと思って…」

 だが、どこからうわさを聞いてか、昨年3月、桑田から手紙が届いた。

 《おばちゃん、ごぶさたしてます》

 便箋(びんせん)5枚にしたためた、たわいのない話。最後にこうあった。

 《なんとか頑張って、清月の灯を消さないようにできますか》

 ふと、あのころの光景が思い浮かぶ。パンを腹におさめると、桑田は決まって店の前の道路にあぐらをかいた。そして、当時流行っていた西部劇「ローハイド」のテーマ曲を大声で歌い始める。革靴を脱いで両手に持って、リズミカルに地面をたたく。

 「おいケースケ、車にひかれて死んじゃうぞ」

 小言を言っても歌い続けた、憎めない少年が、いつしかその歌でスターになった。それでも昔通ったパン屋を忘れず、気遣いの手紙をよこしてくる。

 読み終えて、ひとしきり泣いた。「もうちょっと、頑張ってみよう」

 きょうも店には明かりがともり、ファンがふらりとやってくる。

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茅ケ崎公園野球場で開かれたライブ
パン屋「清月」店主、高橋ツナ子さん
茅ケ崎公園野球場で開かれたライブ
茅ケ崎公園野球場で開かれたライブ
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