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奄美の「瀬戸内の歌姫」デビュー(下)「歌で島にマクドナルドができたらうれしい」 (1/2ページ)
鹿児島県・奄美大島の瀬戸内町がまちおこしのため企画した「瀬戸内の歌姫」に決まった中華料理店員、川島マナミさん(21)宅に今年3月、できたての町のPRソング「すばらしき奄美」の歌詞とカラオケCDがクロネコヤマトで届いた。
町役場の加藤和正さんが再び川島さんの働くショットバーへ飲みにきたのは、そのひと月ほど前だった。オーディションで歌姫に選ばれた女性が家族の反対で辞退。町では「さて歌姫をどうするんだろ」と噂が立っていた。
「ぜひ歌姫に」という加藤さんの話に、川島さんは「歌手なんて器じゃないし、川島マナミを売るなんて、いきなり言われても困ります」。
「そんな大げさな話じゃない。町をPRするキャンペーンガール的なものだから」
じっと見守っていた店のオーナー、高塚勇輝さんが言った。「やってみたらいいんじゃない。何でも経験だよ」
川島さんは結局、こう思って引き受けたという。
「一回やってみたら、自分が結婚して子供を産んだ時にこのことを言えるかな」
6月4日。羽田空港に茶髪の川島さんが降り立った。東京は2回目。初めての時は新宿アルタ前へ行きたくて、アルタを見て新宿で飲んですぐに帰った。今回は10泊、レコーディングのための上京だった。
「音楽業界の重鎮の方たちとお会いして、都はるみを『はるみちゃん』、五木ひろしを『五木くん』とか呼んでいるのにびっくりしました」
今回のプロデューサー役、小林和彦さんの上野・アメ横の店と目と鼻の先にある「ホテル丸谷」へ滞在し、作曲家の岡千秋さん宅で都合3回、レッスンを受けた。
6月13日。夏を思わせる昼下がり、文京区内のスタジオでレコーディングが始まった。
緊張してしまい、声に伸びがない。少し遅れてやってきた岡さんは「カラオケで歌ってるみたいだな。…ちょっとピアノでやってみようか」とピアノの前に腰を下ろした。

