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奄美の「瀬戸内の歌姫」デビュー(中)店のエプロンにスリッパでオーディション参加 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:浜崎あゆみ
川島さんは昼間働く中華料理店「栄屋」を1時間だけ早引けして駆けつけた。店の青いエプロンに赤いスリッパ姿のまま、晴山さおりの演歌「一円玉の旅がらす」を歌った。川島さんは原曲を聴いたことがなかったが、祖母が「十五夜」と呼ばれる集落の秋祭りで毎年、歌っていたため覚えてしまったという。
でも、「すごく緊張して、声が全然出てなかった」。オーディションは2曲ずつで、2曲目の順番を待つ間、応援にきていたショットバーのオーナー、高塚勇輝さん(28)がスーパードライの350ミリリットル缶を手渡した。「隠れて飲んでこい」。トイレで一気飲みして2曲目、元ちとせの「いつか風になる日」を歌った。
審査の結果、ドコモショップで働く27歳が「瀬戸内の歌姫」に決まった。川島さんは「あー、終わった」と、友達と島いちばんの都会、名瀬(奄美市)へボウリングに出かけた。
翌日の地元紙「南海日日新聞」でも結果が報じられたが、ドコモショップの彼女は家族会議で全員が猛反対。町役場の加藤さんは小林さんに電話して、困った声で「駄目です」と告げた。小林さんはすかさず「次点の川島マナミを口説いてくれ」と頼んだ。
審査では3人のうち小林さんだけが川島さんを推していた。小林さんは「僕は初めからマナミちゃんだった」と言う。
「最初に選ばれた子は確かに歌はうまかった。でも、僕は40年間、レコードやCDの店をやって売れる歌手の声、大衆が認める歌手の声を求めてあるってる(歩いている)わけだから。マナミちゃんの声は、奄美そのものだった。奄美の澄んだ水と空気と人の心そのものだった」
川島さん説得のため、加藤さんが再びショットバーに現れた。
(つづく)

