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【人、瞬間(ひととき)】あの言葉 ソプラノ歌手・中丸三千絵さん(47)(中) (1/2ページ)

2008.6.4 08:24
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中丸三千絵さん(小松洋撮影)中丸三千絵さん(小松洋撮影)

 ■「いま、始まったんだよ」

 26歳でイタリア・ミラノに降り立ったとき、「帰国しないと決めていた。30歳までに芽が出なかったらやめよう、とも」。

 それはデビュー公演からわずか3カ月後のことだった。日本で行われた小澤征爾指揮の歌劇「エレクトラ」の主役が急に降板して、「声を聴きたい」と呼ばれた。小澤の「一日でも早く海外へ行った方がいい」というアドバイスに従っての行動だった。

 「まず適当な先生について…とは考えなかった」という。体当たりで師匠を探した。

 マリア・カラスと最も多く共演したジュリエッタ・シミオナートがスカラ座で教えていると聞き、延々と楽屋口で待った。3日目、車で出てきたところをボンネットに手をついて教えを請うた。ルチアーノ・パバロッティを教えたアリーゴ・ポーラも尋ね当てた。5時に起床し、2人の元へ通う猛練習が始まった。

 そのころ、実家にあった額の言葉「勉強のみよく奇跡を生む」をしばしば思い出した。「父が私の音楽の犠牲になった」と振り返る。幼時から英才教育を受けたわけではない。歌を志したのは高2の冬。原書講読や発声などを7人の師に学び、茨城から東京へ通う中丸を父は黙って見守ってくれた。

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中丸三千絵さん(小松洋撮影)
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