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【人、瞬間(ひととき)】あの人 ジャズピアニスト・上原ひろみさん(上) (1/2ページ)

2008.5.13 08:12
このニュースのトピックス洋楽
上原ひろみさん上原ひろみさん

 ■オスカーに捧げる鎮魂歌

 オスカー・ピーターソン(1925〜2007年)を知ったのは、8歳のときだった。教わっていたピアノの先生がテープにダビングして持ってきてくれたのが、ピーターソン・トリオのジャズアルバム「プリーズ・リクエスト」。衝撃を受けた。

 「音を聴いていて、知らず知らずのうちに体が揺れてしまう感覚を味わいました。この人のピアノは幸せな音がするなあって、つくづく思いました」。プロのピアニストになってジャズに身をささげるきっかけになった運命の「出会い」だった。

 13歳のときに、幸運が訪れる。ピアノを習っていた学校のカナダ人のスタッフが、上原の演奏をテープに収めて、オスカーに送ってくれた。すると、ジャズピアニストの大先達から激励の手紙が届いた。「素晴らしい音楽をありがとう。これからもがんばって!」。そんな内容だった。雲の上の人と思っていたオスカーの存在が「いきなり現実になり、とても驚きました」。

                   ◇

 あこがれの師、オスカーとメール交換を行うようになったのは、20歳になってからのことである。22歳のとき、コンサートで、オスカーが暮らすカナダのトロントへ赴くことになった。メールで知らせると「ぜひ、わが家に寄ってほしい」と招待を受ける。

 「とにかく話し好きの方でした。伝記本を口ずさむみたいに、ご自分の武勇伝なんか交えながら(フランク)シナトラや(エラ)フィッツジェラルドの話をいろいろと聞かせてもらいました」

 それから、オスカーのピアノの前に座った。オリジナルと「アイ・ガット・リズム」の2曲を弾いた。

 「自分の気持ちをぶつけました。オスカーはピアノに寄りかかるようにして、すぐ近くからずっとのぞき込んでくれていたんです。今でも忘れられません」

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