ニュース: エンタメ RSS feed
【酒とジャズの日々】名演案内 ソニー・クラーク「クール・ストラッティン」
ジャック・ダニエルをロックで2杯−。心と頭と口がほどよくほぐれてきた。
「目の保養という言葉があるけれど、50歳を超えて妙に実感できるようになりました」。2歳上のマスターに話しかけると「すらりと伸びた健康的な脚を見ると、確かに得した気分になりますね」。
「エスカレーターに乗って、目の前にそんな脚があれば、それだけでうれしくなってしまう。『瘋癲(ふうてん)老人日記』の足フェチじいさんに日々近づいている感じだね」
「たまにはアレ、聴いてみますか」。マスターはソニー・クラークの『クール・ストラッティン』(1958年録音)を取り出した。
ニューヨークを闊歩する女性の脚をローアングルで撮ったジャケット写真がイカシている。
タイトル曲が流れる。トランペットのアート・ファーマーとアルトサックスのジャッキー・マクリーンが気取って街を歩く女性に「よう、おれと付き合わないか」と競い合って声をかけるような音楽。ハスッパな雰囲気がたまらない。
「ジャケットの女性、どんな顔をしているのかな」と言うと、マスターはたばこの煙を吐き出しながらつぶやいた。「脚だけで十分じゃないですか」(桑原聡)

