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【音楽】梯剛之、ベートーベンに挑戦 30歳の節目に「深化を」
美しいピアノの音色に霊妙な精神世界を描き出す盲目のピアニスト、梯(かけはし)剛之。ロン・ティボー国際コンクール第2位入賞から10年、ウィーンと日本を行き来しながら活動を続ける。30歳の節目の年にあたって、初のオール・ベートーベン・プログラムでリサイタルに挑む。19歳の時にピアノ協奏曲第1番を演奏して以来、偉大な作曲家への尊敬の念を深め、掌中でじっくりと温めてきた。
「ベートーベンが散歩していた道を歩き、森の中に注ぐ光、枝葉を渡る風、鳥のさえずりに触れていると、ベートーべンが、とても身近な存在として感じられ、作品はたった今、書かれたかのように感じられます」
ウィーンでの生活が18年目となる梯。進んで屋外へ飛び出し、土のにおいや木のぬくもりを直接に感じ取りながら、音楽に詩的な広がりと精神的な意味を与えていく。
天衣無縫のモーツァルトの音楽に含まれた微妙な心の動き、希望と不安が交錯するシューベルトなど、梯の十八番(おはこ)はどれも、自然との交感がインスピレーションの源泉となっている。
今回のリサイタルツアーで取り上げるのは、ピアノ・ソナタ第14番「月光」、第17番「テンペスト」に第23番「熱情」。いずれも標題つきの代表作ばかり。
「ベートーベンは運命を乗り越え、光の境地へと到達します。そこで彼はすべてのことを許し、慈悲深い大きな心で世界を包み込んでいるのです。偉大で神々しいまでの世界を表すことができればと願っています」
公演は23日、新潟市民芸術文化会館(新潟日報社(電)025・378・9266)▽4月5日、京都コンサートホール(エラート音楽事務所(電)075・751・0617)▽22日、横浜みなとみらいホール(神奈川芸術協会(電)045・453・5080)▽5月24日、東京・紀尾井ホール(カジモト・イープラス(電)0570・06・9960)など。

