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【音楽】中西保志 2枚のカバー作、注目集める デビュー15年、熟成された歌声
「最後の雨」などで知られるボーカリスト、中西保志の2枚のカバー作が脚光を浴びている。1980年以降のJポップのスタンダードを選曲し、大人でも味わえるようにスタイリッシュにアレンジしたアルバム。何かとせわしない時代にホッと一息つけるような作品を志向した。
「音楽界はヒップホップのようなものを最後に新しいジャンルが出尽くした印象がある。今後はむしろ新しいものを追求するのと同時に、過去の素晴らしい楽曲にも目を向けようじゃないかと」
そんな思いで発表したカバーアルバム2作のタイトルはずばり「スタンダーズ」と「スタンダーズ2」。井上陽水「いっそセレナーデ」、サザンオールスターズ「真夏の果実」、安全地帯「ワインレッドの心」など2枚で計24曲を収録した。
持ち味である伸びやかな歌声に加え、ピアノの洗練された音色など都会的なアレンジも好評で、チャートを上昇。「もう少しこの世界でやらせてもらえることがあるんじゃないかという気持ちを持ちました。用がないのにいる世界じゃないですからね」とおおらかに笑う。
松任谷由実「春よ、来い」、一青窈「ハナミズキ」など女性ボーカルの曲も多数収めた。女性のフレーズも最近の曲も、自然に響くのはボーカリストとしての力量があるからこそ。「10年前にカバーを出してもうまくいかなかったと思う。デビューから15年たって、ある程度熟成され、違和感がないところまできたのかなと感じます」
自身の代表作「最後の雨」は倖田來未のほか、韓国、香港、シンガポールなどの歌手にもカバーされ、アジアのスタンダードに育った。「時代を越えていく作品が一つでもあれば歌い手としてうれしいですね」。新たなスタンダード曲を生み出すべく、現在は久々のオリジナルアルバムの発表を目指しているという。(安田幸弘)