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【ジャズCD】ニッキ ウッドベースと魅惑の歌声
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マイクスタンドに向かって、ウッドベースを奏でながらジャズを歌うブロンドの美女がニッキ・パロットだ。ピアノやギター、サックスやドラムスを兼ねて、というのはそう珍しくないが、ウッドベースと一体化したジャズ歌手は、きわめてまれだろう。しかも、演奏技術は非常に高く、魅惑的な歌声は聴く者のハートをとろけさせる。天は二物、いや「美女」をも含めると、気前よく三物を与えたようだ。
ニッキがボーカルとベースを受け持ち、ほかにピアノ、ギター、テナーサックス、ドラムスのクインテットで臨んだ「ムーン・リバー」は、昨年6月、ニューヨークのスタジオで録音された、記念すべきデビューアルバムである。
ライナーノーツによると、ニッキはオーストラリア出身で、ニューヨーク在住。4歳のときにピアノを始め、やがてフルートも吹き始めたが、15歳でベースに転向したという。同じミュージシャンの姉(リサ・パロット)がサックスを吹いていて、一緒にバンドを組むためにベースのお鉢が回ってきたらしい。
姉妹そろってシドニーの名門ニュー・サウス・ウェールズ音楽院でジャズを学んだというから、音楽的素養は十分だ。米国のジャズ界で活躍を始めた最初は00年6月、伝説のジャズギタリスト、レス・ポール(現在92歳)のライブショーにバンドメンバーとして加わってからだという。
収録した全13曲中、オリジナルの「ニッキのブルース」を除いてすべてがノリのよいスタンダードで、聴けば聴くほどに味わい深く、しっとりとしたムードに包まれる。(宝田茂樹)