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【ステージドア】「白鳥の湖」 国立モスクワ音楽劇場バレエ 入念な演出 「踊る役者」が物語を創る (1/2ページ)

2007.12.20 15:46
このニュースのトピックス「SANKEI EXPRESS」から
ミハイル・プーホフ演じるジークフリート王子とナターリヤ・クラビーヴィナのオデット(「白鳥の湖」より、提供写真)ミハイル・プーホフ演じるジークフリート王子とナターリヤ・クラビーヴィナのオデット(「白鳥の湖」より、提供写真)

 ジェームズ・ディーンにアル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロらが学んだ演技方法論「メソッド・アクティング」。この礎(いしずえ)となったリアリズム演劇の方法論、スタニスラフスキー・システムを取り入れたバレエ作品で名高い「国立モスクワ音楽劇場バレエ」が、7年ぶりの来日を果たす。演劇的要素を重視した舞台の魅力に迫った。(舞台評論家 藤本真由)

 「物語が荒唐無稽(むけい)過ぎる」「登場人物に感情移入できない」−。そんな理由でクラシック・バレエを敬遠する人も少なくないだろう。その点、このバレエ団の作品は初心者にも分かりやすい。

 例えば、演出の斬新さが世界のバレエシーンに衝撃を与えたこのバレエ団オリジナルのブルメイステル振付版「白鳥の湖」。悪魔によって白鳥に姿を変えられた美しい娘、オデットと王子との悲劇的な恋を描く作品だが、通常、物語の筋に直接絡むことなく展開される民族舞踊を、このブルメイステル版では、王子をだまそうとする悪魔の手先によって踊られるものとして構成。王子がなぜオデットではない娘に愛を誓うかが分かりやすくなり、その結果、愛を裏切ることとなった王子の苦悩が観客に如実に伝わる。

 日本公演で王子を踊る若手ダンサー、ミハイル・プーホフ(27)も、「自分のレパートリーの中で一番好きな役柄。高度なバレエのテクニックと深い内面表現など、こなす課題も多いが、だからこそ大きなやりがいを感じる」と抱負を語る。

 また演劇的バレエの神髄を、バレエ団の往年のプリマで、今は教師を務めるマルガリータ・ドロズドーワ(59)に尋ねたところ、「どんな小さな役でも、それぞれ与えられた役割を果たして初めて、作品は舞台の上で息づき、観客が登場人物とともに考え、感じることが可能になる。そして、作品の伝えたいものが観客に伝わる」という答えが返ってきた。例として挙がったのは、「白鳥の湖」に複数登場する白鳥の役柄、それぞれに求められる要素だ。

このニュースの写真

ミハイル・プーホフ演じるジークフリート王子とナターリヤ・クラビーヴィナのオデット(「白鳥の湖」より、提供写真)
「すべての役柄は互いに相関性があり、それぞれに表現すべき課題が与えられている。課題がすべてクリアになったとき、物語は物語として舞台上に立ち現れる」と話す往年のプリマ、マルガリータ・ドロズドーワ。今は後進の指導にあたっている(提供写真)
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