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【話の肖像画】タクトと鍵盤と人生と(2)ダニエル・バレンボイムさん

2007.10.24 12:40
このニュースのトピックス話の肖像画
指揮者でピアニストのダニエル・バレンボイム氏が来日しベルリン国立歌劇場のオペラ公演のゲネプロで指揮を執った =9月26日、東京・上野の東京文化会館 (撮影・小野淳一)指揮者でピアニストのダニエル・バレンボイム氏が来日しベルリン国立歌劇場のオペラ公演のゲネプロで指揮を執った =9月26日、東京・上野の東京文化会館 (撮影・小野淳一)

 □世界文化賞受賞指揮者・ピアニスト

 ■弾き振りは本当の指揮者にだけ

 《陽光きらめく初夏のベルリン・フィル内のホワイエ。ちょうどアスパラガスがおいしいシーズンで、巷(ちまた)のレストランでも、アスパラを使ったコースが人気だ。しかし、そんなのどかな雰囲気は、バレンボイム氏には似合わない。この日の取材も、リハーサルの合間の、30分程度の時間しかなかった》

 −−ピアノと指揮の両方を続けていますね

 バレンボイム そうです。ピアノやバイオリンは、音楽的勘を使うことができます。それは、自分と楽器だけの関係だからです。しかし、指揮で100人のコミュニケーションをとるには、それぞれの(楽器や音、人の)知識が必要となり、さらに、それらをジェスチャーでオーケストラ全体に伝えなければなりません。お気づきかもしれませんが、音楽を表現するのに、音と物理的接触がない唯一の音楽家は指揮者です。だから、指揮者は知識と技術を高めることで、初めてオーケストラを自在に動かすことができるのです。私は、音を生み出す経験を指揮に生かし、音に耳を傾ける経験をピアノ演奏に生かします。相乗効果はあるのでしょう。

 −−弾き振り(ピアノを弾きながら指揮をする)は好まれますか?

 バレンボイム これは、本当の指揮者にしかできません(笑い)。しかも、指揮者だけでなく、音に耳を傾けるのに慣れたオーケストラでないと難しいでしょう。

 《その言葉どおり、70年代からパリ管弦楽団、シカゴ交響楽団、ベルリン国立歌劇場で音楽監督などを歴任する》

 −−優秀な人だけでなく、優秀なオーケストラとの出合いも大きかったようです

 バレンボイム 私が初めて大きな責任を感じたのは、65年からかかわったイギリス室内管弦楽団でした。小編成で18世紀の音楽を演奏し始めたころです。当時はベルリン・フィルやウィーン・フィルが12〜14人の第1バイオリンでモーツァルトを奏でていた時代。小編成は新しい動きで、とても面白い時期でした。初めてピアノの弾き振りをしたのもこのころでモーツァルトのピアノ協奏曲の全曲演奏などに挑みました。

 −−そして、パリへ

 バレンボイム はい、74年にパリ管弦楽団に迎えられました。そのとき、興味をそそられたのは、楽団が不ぞろいだったからです。ヨーロッパを代表する演奏家もいましたが、かなり不ぞろい! 彼らのレベルをいかに上げ、また均質化をもたらすか、面白い試みが始まりました。(福本剛)

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指揮者でピアニストのダニエル・バレンボイム氏が来日しベルリン国立歌劇場のオペラ公演のゲネプロで指揮を執った =9月26日、東京・上野の東京文化会館 (撮影・小野淳一)

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