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【断 ジローラモ】ノンリニアな生活の入り口
このニュースのトピックス:コラム・断
CFからCM、そして生活情報へ。TVからプッシュされる広告の変貌(へんぼう)が面白い。一番密着度の高いところから進化は始まる。描かなければいけないさまざまな情報を15秒の枠の中に詰め込む日本の技術力と演出方法には脱帽する。わがイタリアでは短くても60秒、ストーリー仕立てになっており、視聴者をつかむ戦術は一緒だが、冒頭を見ただけでは何のメッセージかなかなかわかりづらい、最後に唐突に商品が登場する。といった具合で、もう一度見たいとも思わないし、購入意欲もさほどわかない。日本のはすごいと思う。きっちりメッセージが伝わり、記憶に残り、店頭に見に行きたくなる。最近では、「誘導式広告」手法により、“続きはWEB”で見ることを奨励されるが、この演出によりコマ割に余裕が生まれ、作品に芸術性を吹き込む結果となってきている。
受動的なプッシュ型から能動的なプル型に消費者を誘導できる仕組みは、他にも存在する。それは「You Tube」を発端とする投稿動画の世界。これは自らが積極的に見忘れもしくは次に行動を起こすための予習のための検索などをするわけで、その結果の映像が上位に存在した場合、自分は正しいと直感的に思う半面、同様なことを思考する人たちの一部と化している自分に不満も覚える。
しかし出合い頭で思ってもみない作品を発見、観賞後「QRコード」等で、今度は携帯端末からネットに誘導され、それがCMであったことに気づく。このループ現象は、まさしく放送と通信の融合であり、映像作品の鑑賞手段がTVだけだった時代の終焉(しゅうえん)なのだろう。ケーブルから解き放たれた端末で、普通にノンリニアな生活を楽しめる入り口に立ったばかりではあるが。(エッセイスト・ジローラモ)