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【赤塚不二夫氏追悼対談】「本人自体がギャグ」「強烈なシュール体験」 (4/5ページ)
■強烈な影響力
みうら「赤塚さんのサブキャラは描きやすいんですよ。横顔とかないし」
泉「子供のころから描いてた?」
みうら「アトムは描けないけどニャロメなら描ける。漫画が近しい感じがした。昔、自分で描いていたキャラクターをみると全部赤塚さんのマネなんです。ニャロメにマント着せて『なんとかX』とか勝手に(笑)。自分でもキャラクターを作りたくなる」
泉「そういわれてみればみうらくんの描くキャラクターって赤塚さんっぽいよね」
みうら「大きかったですね、赤塚さんは。なんでもありっていっても、枠を超えるってできないこと。大人になってわかったけど、できそうでできない。すごいのは、子供にはできそうに見えてること。そこが魅力なんですよね」
泉「読み直してみると、昔気づかなかったおもしろさに気づく。驚いたのは初期の『おそ松くん』で、トト子ちゃんの気をひくために、チョロ松だけが整形手術して少女漫画の二枚目顔で戻ってくるんです。ほかのでこういう壊し方ってないじゃない」
みうら「日本のギャグを作った人だと思う。歴史的な人物という感じがする」
泉「長嶋茂雄、石原裕次郎、美空ひばりに匹敵するスターですね」
みうら「大スターですよ。『赤塚さんはギャグ漫画』じゃなくて『赤塚さんがギャグ漫画』みたいなところがある。前になし、後にもなし」
泉「ギャグを開花させたのは間違いなくこの人ですね」
みうら「なんでも取り入れて、なんでも流行らせていく。赤塚作品には、価値のないものに価値をつけてみせるアンディ・ウォーホルとか、そういう芸術の匂いがする。小学生の時に体験できたのは幸せでしたね」
泉「なんでもいいのだっていう世界ですから」
みうら「『これでいいのだ』ってもう、お釈迦様以来の真理の発見ですよ。『すべては空なり』の次にすごいと思うね、『これでいいのだ』は」
泉「最終的には本人が漫画のキャラというか、パフォーマーの道へ行くしかなかったんでしょうね」
みうら「手塚治虫さんとは世間的な評価は違う。でも、こういうアバンギャルドなものを生み出した功績は大きい。まったく新しいものを作った人だから、もっと評価されていいと思う」
泉「お札になってもいい」
みうら「僕は赤塚さんがいなかったら漫画描いていない。手塚さんだけだったら、どれだけの人がこの道を断念してたか(笑)。気づいてなくても、意外とルーツが赤塚さんだったってのがけっこうあるんじゃないですか」
泉「作品はもちろん、人間そのものが偉人ですね。だけど、惜しい人を亡くした…みたいな言葉は赤塚さんには似合わないね…」



