ニュース: エンタメ RSS feed
想像力醸す手描きの絵 山村浩二さん (1/2ページ)
このニュースのトピックス:伝統芸能
東京芸術大学が今春、大学院の映像研究科に新設したアニメーション専攻。教授に、映画「頭山(あたまやま)」(平成14年)などで知られる山村浩二さん(43)が就任した。画材の質感を生かした手描きの手法で、高い評価を受けている世界的なアニメーション作家だ。コンピューターグラフィックス(CG)による作品が台頭する中で、なぜ手描きにこだわるのか。思いを聞いた。(堀晃和)
山村さんの作品は、白い紙に鉛筆や色鉛筆、油性のカラーマーカー、水彩絵の具などを使っているのが特徴だ。いわゆる「マチエール」(材質感、絵肌)が持ち味。これらの画材で原画を描き、1枚1枚をスキャナー(画像入力装置)でコンピューターに取り込んでいく。キャラクター主体の従来の日本の漫画映画を指す“アニメ”とも区別するため、山村さんはあえて“アニメーション”という名称を使う。
「絵は、絵の具を厚く塗ったり、色鉛筆のざらっとした感じだったり、水彩の溶けた印象だったり、そういう画面上の質感を構成することで成り立っている。肌合いや風合いもアニメーションの画面を構成する上で大事だなと思ったんです」。絵画を勉強したこともあり、アニメーションとの関連性をずっと考えてきたという。
例えば、代表作「頭山」は、原画を鉛筆、色鉛筆、カラーマーカー、油性ペンを使い分けて描いた。緻密(ちみつ)な表現でありながら、絵本のような素朴で温かみのある絵。CGではなかなか見られないような素材感が伝わってくる。
たしかに、デジタル技術の進歩もいちじるしい。「CGの技術の精度は上がっていて、空気感や霧の感じまで表現できている作品はある。しかし、それでも作り物感はぬぐえない。おおもとのリアルな物質感がないと思うのです」


