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【サブカルさーふぃん】マンガ 「くるねこ」
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■多頭飼いの魅力
批評されることは少ないが、漫画界に根を下ろしているジャンルがある。大島弓子、須藤真澄、小林まことの作品から、名も知れぬ作者による無数の4コマに至るまでの〈猫漫画〉だ。多くが作者と飼い猫のミニマムな世界のみが描かれる。人気ブログランキング1位の単行本化というフレコミで、あっという間に重版を重ねた、くるねこ大和作『くるねこ』(エンターブレイン刊)はその最新モードだろう。
筆者も猫好きのひとりだが、この漫画では、特に「多頭飼い」の魅力を感じた。ペット雑誌では奨励されない「多頭飼い」だが、なんといっても小さな猫たちが折り重なって寝ている姿の充足感はたとえようもない。作者が出かけるときに玄関に集まる猫たちの気をそらすためにポーンと投げた麦わら帽子に、帰ってみたらみんなが入って寝ている描写など幸せな気分になる。
同時に「多頭飼い」で分かるのは、猫にも個性があるということ。ある猫が執着することに別の猫はまったく興味を示さないのも面白いし、嫌われてもひたすらまとわりつく猫同士の関係性も楽しい。
作者は多くの猫たちを一時的に預かり、引き取り先を探す。列車で移動し、1匹ずつ引き渡した後、空っぽになった籠(かご)の中から、かつてみんなが一斉に見上げてくれた幻影を見るくだりには、ジーンとなってしまった。(評論家・切通理作)
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