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【サブカルさーふぃん】ゲーム 「ファイナルファンタジータクティクスA2」
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■思い通りにならぬ愛しさ
かつて見事な菊の花を育てる老人に何が楽しいのか聞いたことがある。「同じ白い花でもそれぞれです。自分の思い描いた通りに育つのも楽しみですが、それが予想を裏切るように育っていくのも面白いものです」
なるほど、何事も全て自分の思ったとおりになったら、それはそれでつまらない。俺が今夢中になっているニンテンドーDS用「ファイナルファンタジータクティクスA2」(スクウェア・エニックス)は、そんなシミュレーションロールプレイングだ。30人近くのメンバーを色々な職業につかせて特技を覚えさせ、それを組み合わせて自分好みのキャラクターを生み出す。このちまちまとした作業が植物を種から育てているみたいで癒やしになる。強くなったら戦いの場に出すのだが、ここにさまざまな制約がある。
「刀を使っては駄目」「魔法は駄目」…。これが厄介だが面白い。「大ダメージを与えては駄目」なんて時、今まで出来の悪かった戦士が突然張り切って大ダメージ攻撃を出しちゃう。あっという間に失敗となり、それまでの苦労が台無しだ。まさしく予想を裏切る行為だ。それだけじゃない。手塩にかけて強くした忍者が相手の攻撃で混乱して、禁じ手の刀を使ってバッサバッサと味方を倒していく。一生懸命育てた俺の“財産”を食い尽くす放蕩(ほうとう)息子のようだ。思い通りにならないキャラクターは怒りを通り越して愛しい。
そういえば、家の倅(せがれ)も「九九を覚えなさい」といくら言っても出来なかったのに、「寿限無」の名前は全て暗記している。ちょっと可愛い。菊名人が「言う事を聞かないのは、その花の自己表現なんです」と教えてくれた。よし、今年はかみさんに逆らって自己表現するぞ。(落語家・三遊亭白鳥)

