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【サブカルさーふぃん】ゲーム 「ドラゴンボールZ スパーキング!メテオ」
■「地道な努力」が報われる
俺のような大人がゲームをやりたい理由の1つに「あのキャラクターになりたい」という願望がある。閉塞(へいそく)感に覆われた現実を忘れたいから、かつて熱中したマンガの主人公と同じことをしたいと夢見る。
中でもアニメ「ドラゴンボール」の主人公孫悟空は、30〜40代の親父が1番なりたいと思っているキャラクターだろう。その理由は、彼が常にひたむきに努力し、必ず報われるからだ。現代では「一生懸命」という言葉が死語になりつつある。額に汗することなく、株の取引で莫大(ばくだい)な富を手に入れたり、生まれが名門との理由で人の上に立てたりする。それを理不尽だと声高に怒ることのできない世の中だからこそ、みんな悟空になりたいのだ。
バンダイナムコゲームスが発売するWiiやプレイステーション2対応の「ドラゴンボールZ スパーキング!メテオ」(画像は(c)バードスタジオ/集英社・東映アニメーション(c)2007NBGI)は、その願いを叶(かな)えてくれる。アニメと同じストーリーで進むヒストリー編では自分もこつこつトレーニング。上達すれば必殺技の「かめはめ波」が同じ動きで撃てるのだ。宿敵フリーザも出てくる。宇宙最強の家系に生まれただけで、支配者として君臨するライバル。まるで偉い政治家の家に生まれ、首相になった人のようだ。そんな巨大な敵も修行して倒すことができる。
落語家のように何年も修行してやっと一人前になるよりも、テレビに出て一発芸で人気者になることがもてはやされる時代。「地道な努力」が報われることを思いださせてくれるゲームだ。「地道な努力」がおろそかになり、さまざまな偽装問題が明らかになっているが、誰もが熱くなった「ドラゴンボール」に賞味期限など関係ない。
(落語家・三遊亭白鳥)

