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【サブカルさーふぃん】アニメ 「となりのトトロ」素晴らしき筆造りの技

2007.10.6 07:54
このニュースのトピックスサブカルさーふぃん

 外国のアニメ監督と話をしていたとき、彼が日本のアニメ作品の良さを語った中に、背景美術の素晴らしさを上げたのが印象に残っている。

 今月1日で幕を閉じたが、東京都現代美術館で「ジブリの絵職人・男鹿和雄展」があった。昨年の「ディズニー・アート展」を約10万人も上回り、歴代2位の入場者を集めたそうだ。男鹿は「となりのトトロ」(昭和63年)など一連のスタジオジブリ作品の背景画に携わった人物。「ジブリの…」と銘打った影響もあるのかもしれないが、会場を訪れた人たちは、初めて見るアニメ背景画の素晴らしさに目を丸くしていた。

 アニメの背景画は、基本的に写実的で技術の優劣が目につきやすい。それに、背景の前でキャラクターたちがストーリーに沿った演技をする関係上、1枚の絵として成立していないものもある。

 男鹿の絵は、確かなパース(遠近法)、細部にわたる的確な描写、美しい色彩、光と影に漂う情感…が大きな特徴だ。そして、キャラクターが描かれていなくても、鑑賞にたえられるものが並べられている。日ごろアニメに関心のない(多分)年配の女性たちまで感嘆の声を上げながら日本の美しく懐かしい背景画を眺めていたが、これはもうアニメの枠を超えて絵画鑑賞といった方がいいだろう。

 会場で、男鹿が背景画を描く様子を上映していたが、ほとんど日本画用の筆で描いているのに気が付いた。もしかしたら、トトロをはじめ日本アニメの背景画が繊細で美しいのは、太い所も細い線も自在に描ける日本の筆があるからではないか。とすれば、日本の伝統的な筆造りの技が、こんな所にも隠し味のように生きていて、アニメ隆盛の一部を支えているのかもしれない。(杉並アニメーションミュージアム館長・鈴木伸一)

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