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【記者ブログ】なつかしの「銀英伝」、中国で堂々出版 福島香織 (4/4ページ)
■(中略)作者は意図せず自分の文化背景を作品ににじませている。特に専制と民主(の長所と欠点)を同様に指摘している。これは東洋の思想の影響だ。
(中略)銀英伝は三国演義の思想をモデルにしている。銀英伝が「謀略をテーマにしている」という言い方は、三国演義的であることに由来する。だが田中芳樹はここに、(西洋的)現代経済の要素を注入し、三国演義とは必ずしも同じ思想ではない…。
■全文を翻訳するには、ちょっと饒舌すぎるので、一部抜き出してみた。ようするに、この小説がSFでありながら現実の戦争、政治、経済とその歴史を描いている、と感じ、政治的なもの思想的なものを学びとれる、といっている。中国では現実の歴史や政治思想をもとに、考察したり論評したりする自由が制限されているので、架空の小説に現実の政治を反映させたり思想を盛りこむ手法が発達してきた。銀英伝は、そういう意味で、非常に中国的な小説でもあるのだ。これが本当の人気の秘密だと思うのだが。
■この小説は、賢君による専制が衆愚に陥った民主より優れている部分を描きながらも、数世紀に一度ぐらいしかない賢君の登場に自らの運命をゆだねるより、欠点を抱えながらも人々が自らの運命を選び取ってゆく民主政治の優位性という本質をとく。
■毛沢東、●(=登におおざと)小平という苛烈ながら魅力もあった強人による専制政治を経験したあと、凡庸な為政者により腐敗が限界までに拡大した一党独裁の中国としては、いずれの道にすすむべきか、なんて若者が考えるためのヒントには十分なりそうだ。日本のサブカルチャー、あなどるべからず。胡錦濤同志も銀英伝を読みたまえ。発禁処分にはしないでね。
<2007/02/09 22:03>
▼「福島香織」の記者ブログ<北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)> http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/