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【サブカルさーふぃん・マンガ】『こちら葛飾区亀有公園前派出所』
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■世代超えた自分の居場所
このコラムの担当になってから、いつかは取り組もうと思っていたのは、週刊少年ジャンプで秋本治による連載が31年目を迎える『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。筆者は、この漫画の面白さの〈核〉がどこにあるのかが長年わからなかった。
だがここ数カ月読み返しているうちに、突然くっきりと見えてきた。これは、お惣菜(そうざい)からプラモデルから日常品まである地元の個人商店ではないのか。わざわざ遠くから冷やかしにやってくる人がいるような店ではなく、名物といえるものも置いていない。だが昔からの常連客は、ウインドウにいまは売っていない商品がかつて置いてあったのを知っている。変わっていないようで変化している。脇役キャラなどはかなり変化している。通学路の途中で顔を出す子どもたちの好みに合わせて、常に見直され、入れ替えられている。
巡査長の両さんは、連載初期においては当時のギャグ漫画の主人公の多くがそうであったように行動が破天荒で、すぐに拳銃(けんじゅう)をぶっ放す破壊的な人物だった。その方向では、これだけ長い連載にはならなかったであろう。勤務の最中でも上司の目を盗んで賭け事やコレクションに夢中になっていた両さんの、その永遠の遊び心と結局挫折する儲(もう)けのアイデアが、その時代その時代のアイテムと結びついていく。
作者はこれと並行して亀有という場所に流れていた時間−−両さんの少年時代や若者時代−−に時折タイムスリップしてみせる。世代を超えた読者がそこに帰っていくことで、自分の居場所を確認する。いつ寄っても迎えてくれる場所になっているのだ。(評論家・切通理作)