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「アンナと過ごした4日間」イエジー・スコリモフスキ監督
■「たった1行の記事」から構想
昨年の東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞したポーランドのイエジー・スコリモフスキ監督(71)作「アンナと過ごした4日間」が、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開されている。17年ぶりに故国で撮った作品だ。
スコリモフスキ監督は、大学在学中にアンジェイ・ワイダ「夜の終わりに」やロマン・ポランスキー「水の中のナイフ」で共同脚本を務め、1960年代から80年代にかけてカンヌ、ベルリン、ベネチアの三大国際映画祭で受賞したこともあるポーランドの巨匠。67年に発表した「手を挙げろ!」がスターリンを批判しているとして国内での上映が禁止になり、製作の場を国外に求めるようになる。
「あの経験はとても衝撃的で、これからは政治的メッセージ性の強い作品ではなく、人間の生き方や運命を描いた映画を撮ろうと思いました」と振り返る。
90年代初頭から監督業から遠ざかり、画家や俳優として活躍するが、今回の新作で監督復帰した。ポーランドの地方都市に住む中年男レオンは、片思いの看護婦アンナの住む部屋を夜になると双眼鏡でのぞくのが日課だった。やがて彼女の熟睡中に部屋に忍び込むようになり…。
ストーリーのヒントは、10年前に新聞の「世界の珍事件」という欄に載っていたたった1行の記事だという。「映画の題材を考えていたら、日本人男性が思いを寄せる女性の部屋に忍び込んで寝姿を見ていたという記事があったことを思いだした。そのときは2人の年齢や職業などの情報がなかったので、自分で肉付けしていきました」
昨年の東京国際映画祭で評価され、すっかり日本がお気に入りの様子。今回、トレードマークの黒いサングラス姿で来日した監督は「尊敬する映画監督はフェデリコ・フェリーニとロベール・ブレッソン、そして黒澤明。絵画も日本からは影響を受けている。できたら日本で個展を開きたいね」とほほえんだ。(伊藤徳裕)

