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【日本人とこころ】清水俊二と日本語(上)字幕は翻訳にあらず (5/6ページ)

2009.6.21 08:13
このニュースのトピックス映画
東京・世田谷の自宅でくつろぐ清水俊二夫妻(石川文代さん提供)東京・世田谷の自宅でくつろぐ清水俊二夫妻(石川文代さん提供)

 「セリフがしばらくないところがあると、2回ぐらい、ポーンポーンと手をたたいていました。眠気覚ましだったのか分からないけど、そんなことをする翻訳者はいなかった」

 戸田奈津子さんは、師匠の鉛筆が印象に残っている。「昔の人だから、もったいない世代なのね。いつも、“ちびた”鉛筆を使っていました。長いのなんて見たことない」

 その鉛筆で清水は、年間30〜40本の数をこなしていた。字幕の作成は、まず、翻訳者が試写を見ながら、「箱書き」という作業から始まる。画面でセリフをチェックしながら、一つの字幕の長さに区切りをつけるため、シナリオの原文に斜線を入れていくのだ。画面を見たり、線を引いたりと、かなりせわしい。秋山さんが見たのは、清水なりの気分転換だったのだろうか。

 この箱書きをもとに、セリフを、俳優の感情や声の調子を考慮しながら翻訳していくわけだ。そして2回目の試写で、自身の字幕原稿に必要な訂正を入れた。

 清水の時代は、テープレコーダーを使っていなかった。「1回試写を観ただけで、あそこまでやるんですもの、もう神業です」と戸田さんは言う。

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東京・世田谷の自宅でくつろぐ清水俊二夫妻(石川文代さん提供)
清水俊二さんのイラスト

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