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柄本明、ひとり芝居「風のセールスマン」 別役実が描く静かな世界
このニュースのトピックス:舞台
俳優の柄本明が、ひとり芝居「風のセールスマン」を上演する。劇作家の別役実が、柄本のために書き下ろした初のひとり芝居だ。(柳谷昇子)
柄本は「ありがたいことです。ぼくの中では最高の作家で、同時代にいられることが幸せ」と話す。
ふんするのは街から街へと渡り歩くセールスマン、オキモト シンジ。電信柱とバス停の標識、ベンチが置かれたシンプルなセットの中でセールスマンの独白が始まる。
「別役さんの本(脚本)はやっぱり面白いよね。何が? って聞かれると困っちゃうんだけど、一貫して他人に触ってこない。『一緒にがんばろう!』『感動しましょう!』と大衆に近づいたり、教育しようとしたりせず、一定の距離感が常にある」
セールスマンは客席に向かって話し続ける。自分が何を売っているのか、いまなぜここにいるのか。やがて男がどんな事情を抱えているのかが浮かび上がっていく。
「当て書きとはいうけど、その男がぼくかというとそうではない。人間にキャラクターなんてない。『演じる』というのもよく使われる言葉だけど、そんなためしは一度もない」と柄本は、脚本に書かれた世界との関係性を語る。「本(脚本)に書かれたその男について誰も知らないわけで、(芝居として)3次元に立ち上がった時に、別役さんの世界が見えてくる。ぼくらの仕事は書いてあることを言うだけ」
この芝居は面白いからぜひ見にきてくださいと、「言えればいいけど言えない」と笑う。
「へんな言い方だけど、そういう言葉が似合わない芝居だと思う。ひっそりと続けられていく本であり、静かな演劇。自分の中で、もしも見えるもの、何か生まれるものがあるとしたら、5年先、6年先のことじゃないかしら」
27日〜5月1日、東京・新宿の紀伊国屋ホール。TEL03・5371・1153。
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