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【プレミアムシート】歌手 五木ひろし (2/2ページ)
「仕事がなくなっていったんですね。歌が大好きでプロになったのに、お客さんの前で歌うことができない…。辛かったですね」
芸名も何度か変えた。それでも歌手をやめようとは思わなかったという。目に焼き付いていたのは、働く母親の姿。「中学を卒業するまでの何年間か、女手一つで育ててくれたおふくろを楽にさせたい。助けたい。何が何でも成功しないといけなかったんです」
その辛さを知っているから、成功してもペースは変わらなかった。「もう45年?」という思いの方が強いという。だが「大好きな歌ひと筋で歩いてこられたことは幸せ。感謝しています」。そう話す表情に深い感慨がにじんんだ。
実は、新歌舞伎座は初めて座長公演を行った劇場だという。「いろんなことにチャレンジさせてもらって、いちばん思い出深い劇場なんです。新歌舞伎座への思いも重ねて、45周年を支えてくれたファンへの感謝という思いも込めた公演にしたい」
今後も、新曲とともに、自らの過去、思い出を振り返る“旅”を続けるという。「昔の曲であっても、今の世の中に合う曲もあると思う。どんな歌に出合うか楽しみです」と、本当に意欲たっぷりの表情でしめくくった。(文・広瀬一雄 写真・鳥越瑞絵)
■いつき・ひろし 昭和23年、福井県出身。昭和39年に歌謡コンクールで優勝、プロ歌手となるが、ヒット曲に恵まれないまま45年の「全日本歌謡選手権」で10週勝ち抜き。翌46年「五木ひろし」として発表した「よこはま・たそがれ」が大ヒット。一躍スターに。平成19年紫綬褒章。新歌舞伎座での座長公演は4月3日〜27日。
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