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テレビドラマ「そうか、もう君はいないのか」 父が遺してくれた贈り物
一昨年3月に亡くなった作家、城山三郎さんの死後に見つかり、妻の容子さんとの出会いから別れまでをつづった回想録「そうか、もう君はいないのか」がドラマ化された。夫妻の次女、井上紀子さんは「数枚の原稿が昨年1月小説として形になり、1年後ドラマとなった。父が遺してくれた贈り物にありがとうと言いたい」と喜ぶ。(松本明子)
井上さんの著書には「城山三郎が娘に語った戦争」や「父でもなく、城山三郎でもなく」がある。自身も銀婚式を迎え、1人娘も24歳になり、亡き両親の夫婦の絆(きずな)に改めてふれることができたという。
「両親の出会いから結婚あたりまでの話は結構知らないものです。父は自分のことはあまり話したがらない性格でしたので、母が(平成12年に)亡くなったあとの数年前『実はね…』と話し始めたのが私にとっては最初でした。当時筆1本で生きていくという父に、母はすっと入っていった。その後父は風のように生き、母は自分の生き方も大切しながらどーんと支えた。名コンビでしたね」
井上さんは、愛情あふれる表現で両親のことを語る。ドラマでは、夫妻を田村正和と富司純子、出会いから新婚時代を中村勘太郎と長澤まさみ、次女の井上さんを檀れいが演じるが、「夫から『君がなんで檀さんなんだ』といわれ、家族の中でちょっと居心地が悪い」と井上さんは笑わせる。
主演の田村は、ある結婚披露宴で生前の城山さんに1度会ったことがあるという。
「3席ほど離れたところに座ったのですが、眼光、切れ味鋭く、日本刀のような方だな、と。ドラマの話がきたときは最初、自分の任ではないと思ったが、究極の恋愛物語で心に染み入る作品。(私生活で)僕も覚えがないわけではないのでお引き受けしました」
出版元の新潮社には映像化の申し込みが20社近くあったという。TBS系で12日午後9時から放送される。

