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【インタビュー】映画「秋深き」八嶋智人、佐藤江梨子 オダサクにはまった
『夫婦善哉(めおとぜんざい)』などで知られる作家、織田作之助の短編を原作にした映画「秋深き」(池田敏春監督)が公開されている。大阪を舞台にした夫婦の純愛物語。池田監督は夫婦の配役の条件として「関西弁が話せること」を挙げ、奈良県出身の八嶋智人と、幼いころ神戸市などで過ごした佐藤江梨子の2人を抜擢(ばってき)した。息ぴったりの関西弁の掛け合いで“おしどり夫婦”を演じた八嶋、佐藤の2人に聞いた。(戸津井康之)
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〈きまじめな中学教師、寺田(八嶋)は大阪・北新地のクラブホステス、一代(佐藤)にほれ、酒も飲めないのに通い詰める。いちずな寺田に一代もひかれ…〉
八嶋は撮影前、池田監督からこう言われた。
「現場で私は一代の姿だけをカメラで追うから、君のことを見失う可能性がある。だから君はあらかじめ自分のアップにしてほしいシーンを決め、私に教えてほしい」。困ったけれど「おかげでじっくりと演技の予習ができました」と八嶋は笑う。
これまでバイオレンスを得意としてきた池田監督にとって純愛ものを真正面から描くのは初めて。その不安を八嶋の前では隠さなかった。信頼しているからこそできる注文だった。
「僕も映画は初主演。監督とは何度も相談し、一緒に作品を作り上げていることを実感できました」と振り返る。
一方、池田監督から“熱く見つめられ続けた”一代を演じた感想は?
「役に入り込み過ぎて撮影前から涙が込み上げることもあって…」と佐藤は恥ずかしそうに語った。が、池田監督からは「絶対に涙を見せないでほしい」と要求されたという。
「キューティーハニー」や「腑(ふ)抜けども、悲しみの愛を見せろ」などこれまでは強烈なイメージのキャラクターが多かったが、「役柄と現実の自分とのギャップに戸惑っていた」と吐露する。今回の一代役には「心から一体化できた。メーク無しでの役作りには不安もあったが、逆にメークで役作りする必要がないぐらい、自然に演じることができた。演技に自信がつきました」と語る。
舞台の設定は昭和から平成に置き換えられたが、オダサクの小説を読破し撮影に臨んだという読書家の2人が紡ぎ出す世界観は、古き良き昭和の純愛のにおいを漂わせる。

