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【インタビュー】「七夜待」でヒロイン彩子を演じる 長谷川京子 (1/2ページ)
■30歳、素直な自分を
今年、30歳になった。新作の映画「七夜待(ななよまち)」で同じ年齢のヒロイン「彩子」を演じた。役作りとして、不安に揺れ動く彩子の心情に自分の心をそのまま委ねることにしたという。
「女性にとって30歳は誰もが迎える大きな転換期。失敗が許される20代前半とは違う。仕事では転職を考えたり、女性としては結婚、出産なども考える重要な通り道なんです」。30歳の転換期。自身も結婚を決意、新たな人生を歩み始めた。
演出方法は変わっていた。これまで出演した映画やテレビドラマでは経験したことがない未知の手法に戸惑った。
「台本がない、役の設定もない。じゃあ、いったい私は誰を演じればいいのか。かなり悩みましたね」。悩んだ結果、こんな答えにたどり着く。「結局、自分でいればいい、自分でいるしかない」と。
戸惑いの表情、いらだった表情、怒りの表情を押し殺さず、むき出しの感情をスクリーンから発散させる。自分のままをさらけ出す覚悟を決めたその演技は見る者を圧倒する迫力に満ちている。
昨年、「殯(もがり)の森」でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞した河瀬直美監督から主演に指名された。ストーリーは30歳となった「彩子」が人生をリセットするためタイのバンコクを訪れ、異国の文化や人々に触れあいながら、新しい自分を探し出す−という内容だ。
「各シーンの撮影直前にメモを渡されるだけ。脚本もなく、セリフも決まっていませんでした」
例えば彩子がバンコクに到着する場面。メモにはこう書かれていた。「駅に着いたら観光案内所に行き、受け付けの人の言う通りにしてください」
日本語は通じない。右往左往し、不安を隠さない彼女の表情がそのままスクリーンに映し出される。
「役というベールなくして自分を表現することはこんなにも難しいものなのかと改めて知らされました」と苦笑した。
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