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【追悼 緒形拳さん】時代劇に新風ぶち込む 新藤兼人監督「演技に圧倒された」 (1/2ページ)
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圧倒的な存在感があり、若手監督からは恐れられ、名匠と呼ばれるベテラン監督からは頼りにされた。演技にはいつも真剣勝負で、時には監督やスタッフとけんかをすることをいとわなかった。厳しい分、スクリーン上には、必ずそれだけの結果を残した。一緒に仕事をした監督たちは「もう一度、自分の作品に出てほしかった」と名優の死を悼んだ。
今年96歳となった現役最高齢の新藤兼人監督は昭和56年、「北斎漫画」で主演に抜擢したときのことが忘れられないという。
「緒形さんとの仕事はこの1本だけでしたが、彼の存在感は強烈な印象として残っています。時代劇に新風をぶち込んだ役者だった」
現場ではせりふ一つ、しぐさひとつにいたるまで、互いの演技論をぶつけ合った。そんな監督と俳優の葛藤は映画として結実。“画家として名を築いた葛飾北斎”と“俳優としてキャリアを積み上げた仕事師”がカメラの前で重なった。
「余分なものを削り落とした研ぎ澄まされた演技にただ圧倒されるばかりだった。これまで俳優としてどう生き、どう演じてきたか。演技を超えた彼自身の生きざまを見た」
通算47本の映画を監督し、240本以上の脚本を書いてきたベテラン監督は、最上級の賛辞の言葉で緒形さんの演技を評価した。
社会派と言われた今村昌平監督とは「復讐するは我にあり」(昭和54年)、「楢山節考」(同58年)、「女衒 ZEGEN」(同62年)で名コンビぶりを発揮した。
そんな2人の強固な信頼関係を傍らで見てきた今村監督の長男、天願大介監督は平成15年、オムニバス映画「セプテンバー11」の中の一本「おとなしい日本人」で脚本家として現場に参加した。監督は父が務め、緒形さんの出演交渉を天願監督が引き受けた。
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