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【インタビュー】志村けん 23年目のバカ殿様 泣ける話が好きなのよ (2/2ページ)
芸歴はもう40年近くになる。節目の出来事として「ザ・ドリフターズに入ったこと、全員集合が終わったこと」を挙げるが、その後の志村に大きな影響を与えたのは、先輩のコメディアンで、バカ殿でも共演した東八郎。ある日、「なぜそんなにバカに見せられるのか」と本人に聞いてみた。
「文化人になろうと思った段階でコメディアンの命は終わりだから。いつまでもバカやってればいいんだよ」
東には、公私にわたってかわいがってもらった。「芸者遊びを知らないだろ」と、正月になると向島や伊豆の下田などへ連れて行ってくれた。まだ30代のころだ。
「今は予算も厳しいし、セットとか、じっくりと作るコントがなくなった。時代とともにテレビの作り方も変わってきた。だからクイズ番組などが増えて、芸人たちが多数出演する。出られるテレビが少ないんだよね。でも、僕は絶対に出ない。そこで常識があるとかないとか、はかりにかけられるのがものすごく嫌だし、頭をよく見せようとするのも嫌。そういうとき、東さんの言葉を思い出すんだ」
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志村の笑いの原点は、小学生のとき見た「雲の上団五郎一座」のテレビ中継。やがてジェリー・ルイスの「底抜けてんやわんや」、チャプリンの「街の灯」などに夢中になり、ドリフのリーダー、いかりや長介とは、藤山寛美の新橋演舞場公演なども楽しんだ。ビートルズをはじめ、ヘビーメタル、ソウルミュージックなど音楽にも造詣が深い。DVDで映画を見る本数も半端じゃなく「この前は午後9時から映画3本見て、4合瓶1本空けた」と志村。“休肝日”はなし、大好きな芋焼酎を飲み、メントールのたばこは1日3箱。改めようとはさらさら思わない。
「人間ドックを初めて受けたんだけど、いっぱい引っかかったよ。肝機能の数字も悪くなってんじゃないかな。しじみのスープと豆乳きなこは飲んでるけどね」と自虐的に笑う。自らの性格を「常に仕事が頭から離れない。くよくよ、じめじめしている、だからお酒で流す。こういう仕事をやってなかったら、もっと明るいと思うよ」と分析する。88歳になる母親は、今も独身のそんな末っ子を案ずる。
最近映画館まで足を運んで見た映画は「ALWAYS 続・三丁目の夕日」。東京っ子である、まさに志村の少年時代の風景。「泣ける話が好きなのよ」。照れてぽつりと言ったその表情に、国民的人気の秘密を垣間見た。(文 松本明子)
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【プロフィル】志村けん
しむら・けん 昭和25年、東京都生まれ。17歳でザ・ドリフターズの付き人に。49年に正式メンバーとなる。フジ系「志村屋です。」、日テレ系「天才!志村どうぶつ園」にレギュラー出演中。平成18年に「志村けん一座」を旗揚げし、舞台「志村魂(こん)」の全国公演を展開している。「志村けんのバカ殿様 大盤振舞編 DVD箱」が発売中。

