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【プレミアムシート】舞台「黒部の太陽」に挑む歌舞伎役者・中村獅童「自分の殻破りたい」 (1/2ページ)
上目遣いの鋭い眼光に、やんちゃな男の色気が宿る。革のジャケットが引き締まった肉体に映える。
一瞬、歌舞伎役者に見えないが、「おはようございます」と、きまじめにあいさつする姿からは梨園(りえん)で培った礼儀と厳しい修業の積み重ねがかいま見える。
その活動は歌舞伎界にとどまらず、もはや「中村獅童」という“ブランド”イメージを築きつつある。
「特に2008年は舞台でいろんなことに挑戦しようと思った年でしたから」
1、2月は旬の花形若手が結集した歌舞伎公演で、義太夫狂言の大役「金閣寺」の松永大膳や「義経千本桜」の悲劇の武将・新中納言知盛などに挑み、時代物にふさわしい風貌(ふうぼう)とスケール感に可能性を感じさせた。
その後も初のミュージカル「トゥーランドット」、小劇場演劇の旗手・岩松了の「羊と兵隊」と、ジャンルを問わない活躍ぶり。
「僕は恥や失敗なんか恐れない。人間・中村獅童に刺激を与えてもらえる役なら魂を込めて演じるだけ」
× ×
「僕のような歌舞伎役者はほかにあまりいないんじゃないかな」と、ぽつり。
歌舞伎の名門、萬屋一門の出身だが、父の初代獅童が若いときに歌舞伎役者を廃業したため、自分の考えでこの道に進んだ。しかし歌舞伎界は親の後ろ盾がないと、御曹司でもなかなかいい役がつかない。同世代の若手が大役を演じれば、あせる気持ちも高まる。
「それなら自分でチャンスをつかみとろう」。頭をそり上げた強面(こわもて)の風貌でのぞんだオーディションが、映画「ピンポン」のドラゴン役。見事射止め、強烈な個性に一躍注目が集まった。本業が歌舞伎役者というギャップも新鮮だった。
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