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【週末読む、観る】(5)映画『庭から昇ったロケット雲』 (2/3ページ)
磯辺裕次郎(宮迫博之)は妻と離婚し、娘の咲子(仲里依紗)とふたり暮らし。父の遺産が入った彼は水道工員を辞め、喫茶店を開く。だが「純喫茶磯辺」という店名からしてダサい。それでもアルバイトの素子(麻生久美子)にメイド・コスプレの格好をさせたところ、客が入り始めるが…。
吉田監督が10年前、バイト先で耳にした話から着想した。宝くじで高額当選した夫婦が喫茶店をオープンするが、不慣れなために結局つぶしてしまい、夫婦も離婚したという。
「宝くじに当たっても不幸になることだってあるんだなぁと、その話はずっと頭の中にあった。でも、失敗は失敗なんだけど、挑戦したのは悪くない。無謀なおじさんの青春観みたいなものが描けると思ったんです」
若い素子に心さわがす中年親父(おやじ)に、高校生の娘は気が気でない。3人のバランスが絶妙で、日常を淡々と描きつつそれぞれの思いを凝視する。これにミッキー・カーチス、ダンカンら個性派が常連客として絡む。
「たいした事件も起きない映画なので、せりふに対する思い入れがすごくある。そこをちょっと意識して見てもらえたらうれしい」と話す吉田監督。
自主映画出身とはいえ、ひとりよがりではない。向田邦子の作風に近いといったら、ほめすぎか。好きな映画を聞けば、何と「グレムリン」を挙げた。
「あの凶暴な怪物が映画館でディズニーの『白雪姫』を見ているシーンなんて、ただごとじゃないユーモアセンス。小学校の時に見て以来、ずっとマイ・ベストワンです(笑)」
東京・テアトル新宿ほか全国で7月5日から公開。
IT企業の人事部長、鬼塚(大杉漣)はリストラ担当として恐れられている。ある日、公園に捨てられていた子猫を拾い、研修社員用に借りていたウイークリーマンションの1室でこっそり飼い始める…。
自らを厳しく律し、会社でも家庭でも弱みは見せない。だが人知れず、胃痛と闘っている。そんな中間管理職の哀歓を大杉がコミカルに演じる。共演は鬼塚の妻に原日出子、部下に青山倫子、新入社員に黒川芽以ら。子猫のトラも含め、女性陣が脇を固める。