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【話の肖像画】マニュアルなんていらない(4)女優・真矢みきさん
■“形状記憶”でない男役を
−−年末には封印していた「男役」で舞台に立つそうですね
真矢 宝塚で男性の役を18年演じ、女優としていろんな女性のキャラクターを10年やった今なら、男だから女だから、ということではない「何か」が表現できるのではないか。それを自分で知りたくなりました。
−−男役に戻るのではなく?
真矢 先日、黒木瞳さん(女優)、寺島進さん(俳優)や、宝塚の現役の後輩と食事をしていたら偶然、宝塚の大先輩にお会いしたんです。先輩が、「20年ぐらい主婦をやっていたけど、日舞でちょっと男役をやったら、何事もなかったようにストーンと戻れたのよ」と話されて、すてきだなあと思ったの。皆で、「宝塚の力はすごいね」と盛り上がって…。
私は女優をやらせていただいた経験があるので、そういう“形状記憶”ではない「プラスアルファの男役」にたどりつけたらいいな、と思うんですけどね。
−−“女優としての男役”を演じるということですか
真矢 宝塚では“男性”を意識し、外見も何もかも、すべて男に作り上げた虚像の世界の男性像を演じていました。でも、先日、ドラマで川島芳子役を演じていて、別の面白さを見つけたんです。川島芳子は、チャイナドレスを着たり、女性の姿も見せている。それでも、芯(しん)のところで“男気(おとこぎ)”がずっと流れている。川島芳子を演じたことが、舞台で男役をやってみようと思ったきっかけにもなりました。
≪川島芳子は清朝の王女で、日本軍に協力したとして戦後、銃殺刑となった。ドラマ「男装の麗人〜川島芳子の生涯(仮)」(テレビ朝日系で年内放送予定)で晩年の芳子を演じる≫
−−自分との共通点を探しながら役作りを?
真矢 いえ、すべては台本からですね。川島芳子の場合はたくさん資料が残っているので、できる限り読んだのですが、読めば読むほどわからなくなって、迷路に入りこんでしまった。迷路からどうにか出てきたときに分かったのは、この人は死ぬ瞬間までユーモアをもっていたということ。最期の凝縮された時間の中で彼女には、あせりと不安と開き直りに加えてユーモアがあった。「魅力的な人だな」と感じると同時に、「人間って面白い」と思いましたね。(田窪桜子)