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【話の肖像画】マニュアルなんていらない(3)女優・真矢みきさん
■ひらめきで決断した女優転身
−−宝塚歌劇団を辞めた後のことは決めていたのですか
真矢 全然。器用じゃないから、次を心配しながら何かはできない。「いまを燃焼するぞ!」という感じで、何も考えずに辞めました。その後、女優になろうと思ったのは、本当にひらめきですね。
−−ひらめきで決断できる?
真矢 (人生にとって)あまり重要じゃないことは、繊細に綿密に勉強や努力を積み重ねて決めていくものだと思うけど、人生の転機のような大きなことは、意外とひらめきを信じて、自然の流れにまかせたほうがいいように思いますね。
−−女優人生も10年を迎えました
真矢 でもね、最初の5年は、「なぜ宝塚にいたことが逆効果になるのか」とつらかった。仕事がない、つまり自分の存在が求められていない。はっきりした現実がありましたから…。2年ぐらいしてようやく、「仕事が来たときのために何をしておくべきか」を考えられるようになったかな。
−−具体的には何を?
真矢 エステに通ったり、英語を習ったり。洋服を着るのもいろんな格好をして、(宝塚の男役をしていた)20代、30代に「女性としてやらなかったことを全部やってみましょう」と(笑)。“普通の女”もやっていなくて、「どうしていろんな女性を演じられるのか」って。
−−よく気持ちを切り替えられましたね
真矢 それこそ、マニュアルは嫌いなのに、マニュアルで物を考えている自分がいたんですね。合わないマニュアルは、合わない洋服を着ているようなもの。だったら「直し」に出すか、買い替えるか、自分で作るしかない。自分らしさって大切だなと気付いたのね。それから一つ一つの仕事を、「これ以上できないところまでやったぞ」と積み重ねてきたことが、実になり自信にもなりました。
−−注目を集めた映画「踊る大捜査線 THE MOVIE2」(平成15年)の沖田役は憎まれ役でしたね
真矢 「ヒール(悪役)だから、あなたのためにならない」と言われたけど、自分からやりたいと、衣装や髪形も考えてオーディションを受けました。「オーディション会場に入ってきた瞬間に、真矢さんに決まった」と後で聞いて、「演技はどうでもよかったの?」と思ったけど(笑)。うれしかったですね。(田窪桜子)

