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【話の肖像画】マニュアルなんていらない(2)女優・真矢みきさん
■8回の転校が人生の契機に
−−宝塚歌劇団に入ったきっかけは?
真矢 13歳までに8回転校して“プチ対人恐怖症”になってしまい、人と目を合わせてしゃべれない子供でした。小学5年生の時の先生が両親に「みんなと何かを作ったり触れ合う場を探してみたらどうでしょう」と提案してくれたんです。そこで、母が見つけてきたのが、「宝塚コドモアテネ」。日曜日だけバレエ、日舞、声楽を教えてくれて、いろんな学校から女の子ばかりが集まるからいいだろうと。
−−宝塚音楽学校を目指す人たちが通う教室ですね
真矢 行ってみたら95%ぐらいの人が宝塚を目指していました。その時に、「あなたなんか受からない」と決めつけられて、メラメラと負けず嫌いが顔を出したんですね。だから、申し訳ないけど、宝塚は自分から選んだ道ではなかったんです。
−−中学卒業時に1回で合格しましたが、成績はあまり良くなかったそうですね
真矢 39人中37番の成績。宝塚音楽学校では、「声楽は何点」とか全部、発表されるわけです。私はどれも平均点がとれてないの。これが私の劣等感人生の始まりですね(笑)。
−−その成績で、トップスターを目指した?
真矢 怖いもの知らずだったのね。トップになることは夢ではなく、現実でした。37番なのに、みんなには「トップになるから」と宣言していましたから。
−−根拠もなく?
真矢 私は「あきらめる」という言葉がよく分からなかった。先生が「お前はできない」と決めつけた言葉で本当にできなくなったり、マニュアルで発した言葉がいかに悪影響を及ぼすかを転校の中で学んでいたのね。だから逆に、「トップになれるわけない」という言葉も聞き流すことができました。
−−スターになってからも男役なのに長髪にしたり、異端児として注目されましたね
真矢 宝塚の男役として要求されているのは、「ベルサイユのばら」のオスカルなど、「中性性」だと思うけど、私は「両性具有の感じ」だったんです(苦笑)。温故知新というか、古い積み重ねの中にも、何か着実に新しく変わっていくものがある。「宝塚や男役はこうあるべきだ」という定説を破りたいという衝動に、いつもかられていました。(田窪桜子)

