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【邦画】「歩いても 歩いても」是枝裕和監督 原点は母への思い (1/2ページ)
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映画「歩いても 歩いても」はある家族の夏の一日をつづった物語だ。「特に何も起こらない。でも僕がいま見たいと思う作品を撮りました」と是枝裕和監督は言う。確かに何も起こらない。だが心の中ではいつも感情の波がさざめいている。家族で共感したり反発したりしながら揺れ合う、そんな日常の感情こそが、実は起伏のある大きなドラマなのだ−とこの作品は訴える。(戸津井康之)
家族の物語を作ろう。そう思った是枝監督は6年前に一度、この作品の原点となる脚本を書いた。「子供時代を描いた自伝的な内容でした」。が、「まだ自分には早い」と判断し、立ち消えになっていた。それが一昨年、母親が他界し、映画化への思いが再燃した。
5年前のことだった。新宿に母を呼び出し、一緒に外食した。別れ際、母の背中を見送っていたとき、ふと感じた。「一緒に食事するのは、これが最後になるかもしれない…」。予感は現実のものとなった。「何もしてやれなかった」。その後悔が、今作を生む原点となった。
「そこに母が生きていると思える、そんな映画にしたかった。泣くのではなく、できるなら笑いたい。母と笑い合いたい…」。自分が見てそう思える作品を撮ろうと決意した。

