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韓国映画「光州5・18」出演 アン・ソンギ 現代史の闇に挑む

2008.5.29 08:05
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 「この作品に出演できたことを誇りに思う」。公開中の韓国映画「光州5・18」(公開中)に出演したアン・ソンギは満足げな表情でこう話す。28年前、民主化を求める光州市民と韓国戒厳軍が衝突、多数の死傷者を出した光州事件は韓国現代史の悲劇としてタブー視され真相が隠されてきた。「重くつらいテーマですが、一映画人として、いつか必ず描くべき作品だと思っていた」。来日したアン・ソンギは作品に賭けた熱い思いを語り始めた。(戸津井康之)

 「事件当時、私は20代後半。政府は事件の真相を隠そうとしたが、私は周囲の映画人たちとともにいち早く真相を知った。以来、映画に携わる者としてこの事件の映画化は私の課題となったのです」

 子役としてデビュー、数々の名作に出演し56歳となるまで映画界の第一線で活躍してきたが、この「光州5・18」は特別な一作だったことを明かす。映画化の構想が浮上したとき、彼は俳優として真っ先に出演を決めた。

 《1979年10月、軍事政権を率いた朴正煕大統領暗殺後、市民は民主化を期待したが、後に大統領となる全斗煥が軍事クーデターで政権を奪う。これに市民が反発、抗議行動が全土に広がる。抗争は10日間続き、市民、軍部双方に多数の死傷者を出したが、国内での報道は封じられた…》

 アン・ソンギが演じたのは戒厳軍と戦うために立ち上がった市民兵を指導する元軍人役。「現代史の映像化は想像以上に難しい。実際に戦った人や多くの遺族がまだ生きていますから。慎重に描く必要がありました」

 が、こんな心配をよそに事件を風化させてはいけないというアン・ソンギらの思いに共鳴し、エキストラとして大勢の光州市民が参加した。銃撃戦が行われた市街地のメーンストリートはオープンセットで当時のままに再現。「本格的なセットは圧巻でした。おかげで私たち役者は迷いなくその時代の人間に成り切ることができたのです」と振り返った。

 「少し映画化が遅すぎたかもしれない」。悔しそうにこうつぶやいたが、一方で「映画は人々に大きな影響を与えます。この重い事件を受け止めるのに必要な時間だったのかもしれません。日本の人たちに、まず映画を楽しみ、それから改めてこの事件に興味を深めてもらえれば」と静かに訴えた。

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