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【人、瞬間(ひととき)】あの言葉 リリー・フランキーさん(44)(上) (1/2ページ)

2008.5.27 07:22
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リリー・フランキーさんリリー・フランキーさん

 「映画は監督のもの」

 「君はいい役者だね」

 平成12年暮れに撮影された主演映画「盲獣vs一寸法師」で、監督の石井輝男からかけられた一言は、意外なものだった。本格的な演技の経験もなく、大好きな石井作品の現場を見てみたいという好奇心から出演を引き受けただけで、まさか芝居をほめられるとは思ってもみなかった。

 「君は途中でせりふを忘れたりしてどんなにまずい状況になっても、僕がOKと言ったら普通に楽屋に帰っていく」と石井は説明したという。

 「それでいいんだ、と言うんです。映画というのは監督のもので、悪い役者は『芝居がまずかったからもう一回やらせて』とか言うけど、監督は編集のことも考えながら撮っている。僕がいいと言ったらそれでいいんだって。そりゃそうだなって思いましたね」

 「網走番外地」シリーズの、というより「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」や「直撃!地獄拳」などの作品で“キング・オブ・カルト”の異名を持つ石井は、多くの映画人に慕われた。遺作となった「盲獣vs一寸法師」には、ほかにも塚本晋也、手塚真、園子温といった映画作家が出演を買って出ている。

 「何しろ若いときから熱海の風景にテロップでニューヨークって入れるような人ですからね」と、17年にこの世を去った奇才を懐かしむ。

                

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 イラスト、エッセー、コラム、小説、写真、デザイン、作詞・作曲、構成・演出と、この人の活動の幅は恐ろしく広い。「でも、どのジャンルにおいても、プロフェッショナルじゃないんです」と謙虚だ。

 子供のころから何かを表現したいという気持ちは強かったが、そのために一つの職業に絞るというのは違うような気がした。「そのときの自分の思いが最も伝わる方法で表現したい」。母親を亡くしたときは、写真も撮ったし、絵も描いた。だがそれだけでは伝えきれない、自分の心を救いきれない、と長編小説の筆を執った。

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