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【演劇】人の痛み、多層的に表現「田中さんの青空」
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演劇集団円が土屋理敬の新作「田中さんの青空」を上演する。同劇団の女優5人が別々の一人芝居を演じ、最終的にそれらが一つのドラマの一場面だったことが分かる、多層的な構造をもった意欲的な作品だ。
アニメ「二十面相の娘」(フジテレビ)の脚本なども手がける土屋の今作について演出の森新太郎は、「テーマは人の痛みです。日常から少し逸脱している人たちが登場しますが、彼女たちはその痛みを表に出さず、人生を肯定して生きています」という。
ベテランの片岡静香が演じるのはカラオケボックスでカラオケに興じる中年女性。「一人芝居は初めて。女性5人で来ている設定だから、テンション高く4人としゃべらなくてはいけないので大変です」。芝居の中の「人生って引き算よね。大事にしてたものが一つずつ消えていって、裸の自分が残る」というせりふが好きだという。「よく、あの人は変わっているといい、自分はまともだと思っています。自分からみればみんな変わっているようですが、それはほかの人も一緒なんです」と片岡は話す。
このほか、朝の通勤電車で痴漢を取り押さえる女性、スーパーで万引して捕まった女性らが登場する。彼女たちの人生の切なさを見せつけるかのように、いくつものどんでん返しが仕込まれている。もう一つの仕掛けは、女性たちの知り合いに必ず「田中さん」がいること。しかし、田中さんの人物像はそれぞれの女性によって違うのだ。これらの謎を解くのもこの作品の醍醐(だいご)味だろう。
公演は15〜25日、東京・田原町のステージ円。問い合わせはTEL03・5828・0654。(江原和雄)

