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【シルク・ドゥ・ソレイユ紀行】(5)ディズニーと新たな挑戦
シルク・ドゥ・ソレイユの最初の常設劇場公演は当時、ミラージュ・リゾートの会長だったホテル王、スティーブ・ウィン氏が「ブロードウェーやロンドンのウエストエンドにはないユニークなショーを」と探していたのがきっかけだった。
■人間の動きが「言葉」に
1994年、マジックショーや大人向けのナイトショー中心だった米・ラスベガスに、「ミステール」が開幕。その成功を受けホテル「ベラージオ」に98年、舞台全面がプールというそれまで類を見ない異色のショー「“O”(オー)」が生まれ、シルク・ドゥ・ソレイユの快進撃が始まった。
常設ショー部門担当役員のジェリー・ナダル氏は「ツアー公演は観客が待っている場所へわれわれが出向いていく公演。しかし、常設劇場公演はほかでは上演しない契約があり、旅行客が大半のラスベガスのホテルにとって、客を引き込む目玉になる」と説明する。
「ミステール」は、シルク・ドゥ・ソレイユの原点のような作品だが、内容には少しずつ手が加え続けられている。「舞台美術も新調していますが、舞台の床は6年もたない予測がはずれ、14年間もっていますね」と技術監督のマイケル・マトックス氏。
「ミステール」の客層はファミリー層とリピーターが中心。演目数が増えた今も人気は衰えない。その人気の秘密をディレクター・オブ・クリエーションのピエール・ファヌフ氏は「原点がサーカスであることを忘れていないからです。つまりアクロバットなど人間の動きが観客にメッセージを伝える“言葉”になる。限定されない幅広いお客さまに受け入れてもらえるのです。そして、それぞれのショーは競合しないよう全く異なるコンセプトになっています」と話す。
■満を持しての日本進出
千葉・舞浜に誕生する常設劇場「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」は、シルク・ドゥ・ソレイユと、ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドがパートナーシップを組む。今後、シルク・ドゥ・ソレイユの常設劇場は日本以外はラスベガス、マカオ、ドバイなど、すべてカジノがある世界的な観光地だけに、舞浜での常設劇場建設は新たな挑戦となる。
エグゼクティブプロデューサーのフランソワ・マセロラ氏は「成功したフロリダのディズニーリゾートの延長に、日本があります。日本とはツアーショーを通じ15年間、深い関係を築いてきた。リスクはあるが、マーケティングを行ってリターンがあると判断した。クリエーティブなチャレンジをすることに意味がある」と手応えを話す。
カナダ・モントリオールの国際本部ではいま、日本で開幕する新作の準備が追い込みを迎えている。舞浜のエンターテインメント地図を書き換えることができるのか、新作の中身に注目したい。(田窪桜子)=おわり
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【用語解説】シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京
日本初の常設劇場「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」は2170席。地上7階建ての規模で、劇場内の高さは20メートル。多面体の屋根は、サーカステントがモチーフで、あらゆる向きの太陽の光が差し込むデザインだ。新作の詳細はまだ発表されていないが、コンセプトは「天」と「地」という。オペラ演出や映画監督として知られるフランソワ・ジラール氏が作・演出を担当する。
シルク・ドゥ・ソレイユではすべての作品でトライアウト公演を実施している。正式な開幕前に観客に公開し、反応をみながら最後の仕上げを行う公演だ。日本でも8月15日から9月30日まで、39回のトライアウト公演が行われる。問い合わせは(電)0570・02・8777。



