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【シルク・ドゥ・ソレイユ紀行】(4)ラスベガスで活躍する日本人
ラスベガスで上演中の舞台「KA」。右が田橋典子さん(C)2006The Cirque Apple Creation Partnership(撮影Tomas Muscionico/衣装Marie-Chantale Vaillancourt)シルク・ドゥ・ソレイユの常設劇場公演の中心は米・ラスベガス。現在は「ミステール」「“O“(オー)」「ズーマニティー」「KA(カー)」「ラブ」をロングラン公演している。ほかにフロリダで「ラ・ヌーバ」を上演中。さらに夏には、ラスベガスとマカオに新たな常設劇場がオープンする。
ラスベガスの常設劇場はホテルに併設されている。すべて作品内容に合わせて建て替えた専用劇場だ。例えば、「KA」の劇場には固定された舞台がない。サウンドクリフデッキと呼ばれる約70畳の舞台板が縦横に動き、宙に浮く舞台や壁面にと変化する。
カンパニー・マネジャーのジャック・ケン氏は「デッキを動かすリフトなど最新技術を導入しています。見せ場の花火は123個。コンピューター制御されていますが、キュー(きっかけ)を出すのはすべて人です」と説明する。「KA」の事業予算は175億円、年間ランニングコストは15億円弱と大規模だ。
■高橋さん異例の抜擢
「KA」は両親を殺された双子の兄妹が敵討ちをする物語。敵の娘で双子の男の子に恋するダイアナを演じているのが、日本人の高橋典子さんだ。バトントワリングの元世界チャンピオン。シルク・ドゥ・ソレイユへプロフィルを送っていたところ突然、連絡があったという。演出のロベール・ルパージュ氏が指名し、訓練期間なしで主要キャストに採用と、異例の抜擢だった。
「演出家に私自身の感受性を見せてほしいといわれ、演技のレッスンを受けながら、振付家と相談してバトンを使った動きをつくっていきました。さまざまな国から集まっているスタッフ、出演者と出会い、異なる文化や感性を知ることができたのは貴重な体験ですね」と高橋さん。
ソロシーンでは、たったひとりで3分半演技する。2004年の初演から出演し続けている。
■エンタメ都市へ
「KA」の出演者は約80人。ほかにスタッフが約200人。現在、ラスベガスへは6演目分の同数の人員とその家族が移住している。
常設ショー部門担当役員のジェリー・ナダル氏は「常設劇場公演は、その劇場へ行かなければ見られないという特別な価値があるんです。ラスベガスはツアー客が中心。ホテルとパートナーシップを組むことで、マーケットを広げ街を変えてきた」と自負する。
賭博の街のイメージが強かったラスベガスは近年、一大エンターテインメント・シティーへと変貌した。シルク・ドゥ・ソレイユは、その大きな原動力となっている。(田窪桜子)



