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【集う】イタリア映画祭前夜祭(4月30日、東京千代田区のイタリア文化会館)
ゴールデンウイーク期間中に都内で開催されるイタリア映画祭は、今年で8回目(5月6日まで)。皇居近くのイタリア文化会館では、監督や出演者らが参加しての前夜祭が華やかに催された。
大ホールでは、約400人を集めて出品作「考えてもムダさ」(ジャンニ・ザナージ監督)の試写会が行われた。35歳のギタリストが自分探しのために帰郷し、家族は温かく迎え入れたが、家族それぞれが問題を抱えているという話。映画評論家の品田雄吉さんは「登場人物はみな、どこへ向かおうかと迷っている。イタリアの現状をよく反映した作品だ」という。
喜劇的要素もあり、笑う場面も多いのだが、失業問題や家族崩壊の危機などイタリアの人々が直面するアイデンティティーの喪失感もスクリーンからにじみ出てくる。表現法は変わりつつも、第二次大戦後にイタリアで流行したネオ・リアリズムの精神は健在だ。
フェデリコ・フェリーニやルキノ・ビスコンティといった巨匠を輩出してきた伝統あるイタリア映画界。しかし、現代のイタリア映画を日本で目にする機会は少ない。ザナージ監督は「ハリウッド映画は底が浅い」と一蹴(いっしゅう)するが、平成19年度に日本で劇場公開された米映画の182本に比べ、伊映画は5本だけ(いずれも合作は含まず)。韓国(41本)やフランス(25本)にも及ばない。
映画祭では、日本未公開の新作を中心にこれまで約100本を上映してきた。見本市の性格もあり、キラリと光る秀作は一般公開作へと“昇格”することもある。主催するフィルミタリア社のイレーネ・ビニャルディ理事長は「日伊の文化交流はもちろん、ビジネスチャンスの場でもあるのです」とその意義を語る。
映画を見ればその国の実情がよく理解できる。ウンベルト・ドナーティ館長は「映画祭を開く意味はそこにある」と力を込めた。(伊藤徳裕)

