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【人、瞬間(ひととき)】あの番組 アナウンサー・小川宏さん(81)(中) (2/2ページ)
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ただし、余裕もありすぎると困ってしまう。ある日、番組終了まで2分間も余った。いつもは「今日は何の日」でしのぐが、ポケットをまさぐっても本がない…。とっさにスタジオに生けたバラの花を一輪抜き、カメラにぐいと差し出した。「このたび、テレビから香りを送る技術を開発しました」。突然のアドリブにカメラマンはびっくりして後ずさる。差し出す、後ずさる…。とうとう壁際まで歩いたところで終了10秒前の合図。「きょうは、4月1日でした」
視聴者から苦情の電話がジャンジャン鳴ったという。「ふざけるな」「ばかにするな」。小川の妻、富佐子もだまされた一人。「あんまり真剣に花を差し出すから、私もテレビ画面に近づいて、かいだのよ」
前代未聞の台本“外”トークは局内でも問題に。小川もちょっと考えさせられたようだが、「視聴者の女性からの1枚のはがきに救われました」。こんな一句がしたためられていた。
だまされて しまいしテレビ 4月バカ
=敬称略(文 牛田久美)

