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【洋画】「フィクサー」の監督・脚本 T・ギルロイ
■腐敗の実話がヒントに
大手法律事務所で裏の仕事だけを一手に引き受ける弁護士が、大型集団訴訟案件をめぐる陰謀に巻き込まれる社会派サスペンス「フィクサー」(監督・脚本=トニー・ギルロイ、12日公開)。人気スパイ映画ボーン・シリーズの脚本家、ギルロイの初監督作品だが、いきなりアカデミー賞を獲得(助演女優賞)。「一人の人間が腐敗に至る過程を描いたが、これほどの高評価は予想外」と当人も驚く。(岡田敏一)
主人公、マイケル・クレイトン(ジョージ・クルーニー)は米ニューヨーク最大の法律事務所の弁護士。有力顧客の不祥事もみ消しなど裏の仕事を専門にしている。ある日、農薬会社に対する巨額の集団訴訟担当の弁護士が、すべてをくつがえす真実を暴露しようとしていることが判明。もみ消しに走るクレイトンだが、数日後、その弁護士の死を知る…。
産経新聞の取材に電子メールで応じたギルロイ監督は「イージーな映画だったよ。(ボーン3部作のように)屋根を走り回ったりナイジェリアに行ったりする必要がなかったからね」と冗談交じりに答えるが、製作のきっかけには、あるシリアスな出来事があった。
「公判が終わった大型訴訟の書類の整理中、都合の悪い書類を発見した若手弁護士がその事務所で史上最年少の共同経営者に抜擢(ばってき)されたという実話が根幹になっているんだよ」
訴訟大国で知られる米だが、雇った弁護士の能力しだいで判決が大きく左右され、「金で無罪が買える国」と揶揄(やゆ)されることも。本作ではそうした米のゆがんだ側面をリアルに描くが…。
「これは一個人のモラルが、どのように腐敗していくかを描いている作品だ。米の裁判だけでなく、こうした問題は世界中どこに行っても存在するからね。金がそれほど物事に影響を与えないような所(国)に行ってみたいものだね…」。

