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【人、瞬間(ひととき)】あの人 俳優・小倉久寛さん(53)(上) 三宅裕司、頼れる大先輩 (2/3ページ)
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脱退した劇団員と新メンバーを加え昭和54年、スーパー・エキセントリック・シアターを結成。旗揚げ公演は「お客さんより出演者の方が多かった」が、いまでは年に1度の東京公演だけで1万5000人を超える観客を動員するまでになった。
劇団の人気と知名度が上がっていく一方で、「自分は芝居に向いていないのかもしれない」と疑問を感じていた時期もあったという。
劇団員が某企業の社員教育ビデオに出演することになったときのことだ。もらったセリフは5行あまり。それでも監督から何度もダメ出しをされた。「そうじゃなくて。もう一度!」。やがて「休憩。キミ、練習しておいて」。ぶつぶつとセリフを練習していたところ、やってきた監督が一言。「あ、もういいよ、代わりが見つかったから」
ガーン。すごすごと引き下がった。撮影が再開され、見ると代役としてセリフをしゃべっていたのは当時の劇団マネジャーだった。
「傷ついたというのを通り越して、もう役者はやめようと本気で思いました」
翌日、三宅にわびて、気持ちを打ち明けた。「どうってことないよ。いま失敗しておいて、もっと大きな仕事で失敗しなきゃいいんだって」。座長はこともなげに言った。

