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【人、瞬間(ひととき)】あの人 俳優・小倉久寛さん(53)(上) 三宅裕司、頼れる大先輩 (1/3ページ)
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生の舞台は見たことがなかったが、演劇に興味はあった。テレビドラマ「俺たちの祭」がお気に入りだったから。演劇に情熱を傾ける若者たちの青春群像劇だ。
「失礼ながら自分を投影して見てました。劇団の事務員役で檀ふみさんが出ていましてね、劇団というところには、きれいな人がいるんだなぁと思い込んじゃって」
大学卒業後、大手楽器メーカーに就職してまもなく、「大江戸新喜劇公演」というチラシを見て、初めて芝居小屋に出かけた。手渡された袋に靴を入れて、ぺらぺらの座布団を渡されての観劇。「若い子がいっぱいいて、面白そう!」。張り紙に「劇団員募集」の文字。勤めて2カ月の会社に辞表を出した。
「すぐに入れるもんだと思ってましたけど、オーディションがあるって言われてびっくり。なにしろビニール袋と座布団でしたから…。もっと驚いたのは受けたのが2人だけで結局、2人とも合格したこと。しかももう1人は受かったのに蹴っちゃうし」
何のためのオーディションだったかはいまだに分からないが、そこにいたのが、のちに劇団スーパー・エキセントリック・シアターの座長になる三宅裕司だった。1年半ほどたったある日、呼び出されて、新しく劇団を作ろうと思ってる、と聞いた。「ついていきます!」と即答した。
「まだ売れてなかったころだけど、態度はメジャーな感じなんですよ。『オレがなんとかしてやる!』的なオーラが漂っている人で。この人についていけばなんとかなるだろうと思いました」

