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常に「日本人の美徳」追い求めた 川内康範さん (1/2ページ)
戦後日本のヒーロー像を決定づけた「月光仮面」、理想の母親像を歌い上げた「おふくろさん」…。テレビ、映画、音楽など幅広いジャンルで才能を発揮した川内康範さんは、多数の作品を通して、常に「日本人の美徳」を追い求めた。グリコ・森永事件では、犯人に「おれが1億2000万円を出すから手をひけ」と呼びかけるなど、自作のヒーローを地で行く一面もあった。
日本人にとって永遠のヒーローともいえる「月光仮面」について、川内さんは「なにより訴えたかったのは愛。それも無償の愛」と話していた。月光仮面が誕生したのは約半世紀前。当時、日本は敗戦から立ち直ろうと必死で、価値観が大きく揺らいでいた。
「このままでは日本はとんでもない国になる」。子供たちに、日本人の美徳を伝えようと、生み出したのが月光仮面。モデルは薬師如来像の脇につかえる月光菩薩だった。
亡き母の教えを歌に込めたという「おふくろさん」の詩も、「無償の愛」「普遍の愛」がテーマだった。父が仏門に入った関係で、檀家(だんか)が備えたお菓子を、母は子供たちには手をつけさせず、貧しい人々に配って回ったという。
自作で訴えた愛、正義は実生活でも貫いた。昭和59年、社会を震撼(しんかん)させたグリコ・森永事件では、週刊誌上で「おれが1億2000万円を出すから手をひけ」「こどもの夢(菓子)を人質にするな」と呼びかけ、犯人グループの「かい人21面相」から、「あんた 金 プレゼントするゆうけど わしら いらん」「わしらも月光仮面 見たで おもろかった」と回答があった。
一方、歌手の森進一さんとは“親子”のように親交が深かったが昨年、「おふくろさん」の歌詞の冒頭に、森さんが無断でセリフを足して歌っていたことを、作品の本質を取り違えていると批判。ワイドショーをにぎわした。

