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緊張に満ちた恋の駆け引き 映画「ランジェ公爵夫人」 (2/2ページ)
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「ひとつは物語に中身がないこと。単に男女の緊張感に満ちた恋愛の駆け引きだけですから脚色に大変苦労した。当時の華やかな時代の正確な再現も大変。バルザックの力強い語り口に密着し、それを映像作品に作り替える際、力強さを欠かさぬようにも工夫した」と脚本家は振り返る。
ボニゼールの言葉通り本作の見どころは「緊張感に満ちた駆け引き」なのだが、日本人からみれば2人の恋愛の駆け引きはお気楽なノリではなく、互いのプライドを賭けた激しい心理戦だ。逃げ場を塞(ふさ)がれ、負けを認めることは全人格の否定につながるくらいの勢いである。彼女の伯母役でリヴェット作品の常連である女優ビュル・オジェ(68)も「2人の緊張感は真剣勝負そのもの。本当に恋愛物語なのかと疑ってしまう」と話す。
とはいえ、エンターテインメントの要素も重視したことで物語の進み方は極めて明解。余韻(よいん)を残すラストを含めあらゆる意味で屹立(きつりつ)としたフランス映画だ。
仲間に「(彼女のことは)子供のころの絵本のように忘れてしまえ」と言われ、「もはや(彼女)は一編の詩に過ぎない…」とつぶやく将軍。このラストシーンのやりとりが案外、恋愛の本質を突いているのかもしれない。4月5日公開。(岡田敏一/SANKEI EXPRESS)


