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【人、瞬間(ひととき)】あの場所 女優・浅野温子さん(47)(下) (1/2ページ)
■賛同者得て伊勢神宮で公演
構想から5年がたっていた。
平成15年10月。日本最古の歴史書、古事記を独自の脚色で現代語にアレンジした1人語りの舞台「日本神話への誘い」を初めて開催したのは三重県の伊勢神宮だった。内宮神苑での前例のない公演。
「すごく寒かったんですよ。初舞台のときとはまったく違う緊張感と怖さがありました」
上演に至るまでに、「一生、忘れられない」と思えるほどの苦労があった。いわゆる興行とは違う。理解と賛同を得るために奔走した。損得勘定を抜きに動いてくれる人たちがいた。やがて、出雲大社(島根県)や石清水(いわしみず)八幡宮(京都)の宮司をはじめ、全国の神職有志で実行委員会が結成された。伊勢神宮の大宮司に直接、あいさつする機会に恵まれ、やっと実現に至った。
「いくら思いが強くても、たかだか一女優ではどうにもならない。全国の神社のみなさん、そして地元の人たちの理解と協力がなければできなかったことです」
ライトアップされた舞台で、バイオリンとシンセサイザー、パーカッションによる生演奏とともに、「黄泉(よみ)の国」「天(あめ)の岩屋戸」「須佐之男命(すさのおのみこと)と大国主神(おおくにぬし)」を語った。集まった約1000人は、微動だにせず聞き入ってくれた。

