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【人、瞬間(ひととき)】あの舞台 女優・浅野温子さん(47)(上) (2/2ページ)

2008.4.1 08:04
このニュースのトピックス舞台
「今やらなかったら後悔するかも…」。ドラマデビューから20年が過ぎて舞台の世界に一歩踏み出した浅野温子=2008年3月18日、東京・白金台(大井田裕撮影)「今やらなかったら後悔するかも…」。ドラマデビューから20年が過ぎて舞台の世界に一歩踏み出した浅野温子=2008年3月18日、東京・白金台(大井田裕撮影)

 「なんたらかんたらねっ!」

 出てきた言葉は、もはやセリフですらなかったが、相手はベテラン俳優の西岡徳馬。うまくつなげてくれた。

 別の日。やはりセリフに詰まった。今度は西岡にこう言い放った。「私は何が言いたいの?」。すかさず西岡は「君はこう言いたいんじゃないかい?」。関係者は手に汗をにぎっていただろう。

 「記念すべき初舞台で悪いことをしちゃいました。周りは大変だったと思う。稽古(けいこ)と本番の2カ月の記憶の中で、セリフを忘れたりごまかしたりしたことだけは覚えています」

                   ◇

 女優として最初に経験したのが舞台だったら「違う人生になっていたかも」と感じる。映像の世界で培った経験があっても、表現の手法が違う場所ではゼロからのスタート。新しい世界が広がった。以来、1年に1本のペースで舞台に上がっている。

 「映像は見る側の反応や評価に関係なく、目的に向かって作っていく。舞台は生身の空間で物語を紡いでいく中で、お客さんが笑ったり泣いたりしてくれればうれしくなるし、一緒に作られる空気もある。でも、媚(こ)びちゃいけない。そのバランスはいまだに難しいですね」

 生の舞台の怖さを知ったからこそ、「もうひと山、超えてみようか」という気になれた。「いまになってようやく、福田さんの言葉を実感しています」=敬称略(文 柳谷昇子)

        

【プロフィル】浅野温子

 あさの・あつこ 昭和36年、東京都生まれ。高校在学中からモデル・女優としての活動を開始。映画「高校大パニック」「スローなブギにしてくれ」「陽暉楼(ようきろう)」、ドラマ「あぶない刑事」「101回目のプロポーズ」など数々のヒット作に出演。平成15年から、全国の神社をめぐり、古事記を独自の脚色で現代語にアレンジした1人語り舞台「日本神話への誘い」を開催している。

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「今やらなかったら後悔するかも…」。ドラマデビューから20年が過ぎて舞台の世界に一歩踏み出した浅野温子=2008年3月18日、東京・白金台(大井田裕撮影)
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